VCからの資金調達を考えるスタートアップの心得

起業を考えている方や資金調達を考えている方に取って、資金戦略は成功に必要な条件です。今回は、SSIでおこなわれたイベント「ITスタートアップのための資金調達と資本政策(グロービス経営大学院専任准教授 山中礼二氏による講義)」をベースにスタートアップの資金繰りの基礎をまとめます。

VC(ベンチャーキャピタル)とは?

1.ソーシング

2.投資

3.経営支援

4.売却

 

をおもにおこなっている投資会社です。そして、2(投資)と3(売却)の間に企業の価値が上がれば、それが収益となります。

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投資家やVCの資金によってVCファンドができ、VCはその運用者という位置づけになります。

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VCから投資を受けるまでの流れは、通常以下のようになります。起業家と投資家がmtgを重ね、お互いの条件がマッチした場合に成立します。

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基本的な用語の確認

ではここで、基本的な用語の意味を確認しましょう。

 

・Valuation

Valuationとは、市場で具現化された企業価値のこと、または適切な企業価値を計算するプロセスのことを意味します。

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・Post-money Valuation

(本質的な価値に関わらず)、実際の株価に基づいて、「計算上の企業価値(Equity Value)」を算出することができます。直近の株価に、発行済総株式数をかけたものが、”Post-money Valuation”です。

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・Pre-money Valuation

交渉の際に、Pre-money Valuationが使われることもしばしばあります。
 
シリーズAのPre-money Valuation
=(シリーズA株価)×(シリーズA「前」の時点での総発行済株式数)です。

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投資のタイミングと調達額の決定

増資のタイミング

増資は、多額の投資を受ければ成功というわけではありません。以下の3元連立方程式を満たすような増資を適切なタイミングで行うことが重要です。

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調達額

自社の事業戦略を財務戦略に落とし込み、資本政策(経営陣の持分希薄化)を考慮しながら、資金調達額を決めます。

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(参考)

下記のケースでは、約200百万円のエクイティ・ファイナンスを行いながら、
経営陣+友人・知人で50%のシェアを保っています。

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資金調達の際には、「持分維持」と「十分な金額の調達」のどちらが重要か考え、結論を出します。

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ただし、高いValuation(つまり高い株価)で合意することができれば、少ない数の新株発行で(つまり、自分の持分比率の低下を防ぎながら)、大きな金額を集めることができます。

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ITスタートアップの株価算定〜VC視点〜

ソーシング(発掘)

VCの投資先選定は、以下のようなステップになります。

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株価設定における3つの基準

では、株価はいくらに設定すれば良いのか。以下の3つの基準を軸として、決定します。

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株価(企業価値)算定方法

株価の計算には、以下のような3通りの算出方法があります。

VCがスタートアップの株価を計算する時には、主としてVC-Methodを利用します。

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VC-Methodの流れ

VC-Methodでは、以下のような流れで投資を検討します。

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その他の投資判断基準

またVCは、以下の項目を基準として投資するかの判断をおこなっていきます。



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最後はフィーリングで決める

ですが、ここに載っているもの以外の要素も当然入ってきます。それは「フィーリング」です。

 

投資家にとっても起業家にとっても相性というものは存在するので、「客観的なメリット」と「フィーリング」を大切にして、ベストな選択をして下さい。

文:サムライインキュベート千葉勝太